大前提として、そもそも神社は『都合よく楽して願い事を叶えてもらうために行く場所ではありません』。
目標に向かって努力することを宣言したり、それを神様に見守っていただくお願いや、参拝することができる健康な身体を維持できること、交通費を払える財力をがあること、そういった日々をおくれることに感謝を伝えに行く場所です。
そしてそういった心構えで過ごすことが、めぐりめぐって幸運をもたらすことになると言えるでしょう。
というわけで、そのような心構えを持ちつつ、失礼のない参拝あれこれかんたんチェックリストをご紹介します。
名称・手順・動作は神社によって微妙に異なります。
ちなみにこれは「神社」の参拝作法で、お寺のものではありません。
お寺は宗派・地域によってかなり異なるので、お寺の人に直接きいたほうがよいでしょう。
かんたんチェックリスト
参拝する前にすること
日にちを決める
必ず午前中に行きましょう。そのために午前中にたどり着けるスケジューリングをしましょう。
できれば一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)や神吉日(かみよしび/かみよしにち)といった吉日、ゲッターズ飯田さんの運気のいい日にしたほうが、より良い結果につながると信じやすいです。
ちなみに、16時以降はやめておきましょう。
お賽銭の用意
お賽銭の額は○○円で○○の意味、みたいなことが言われていますが、お賽銭の「賽」の字には「神から受けた福に感謝してまつる」という意味があることと、「願い事をしに行くわけではない」という前提では、語呂合わせの金額を用意することは無意味なので、自分の場合は新札の1000円札を用意しています。
出雲大社も公式サイトで「大切なのは神様に対して真摯な気持ちでお祈りをし、その気持ちをもって日々の生活を送ることです。祈りの心はお賽銭の金額によって、まして変な語呂合わせで左右されるものではありません。」と発信されているので、金額や穴の空いた硬貨にこだわらなくてもいいでしょう。
服装の用意
破損のあるもの、汚れの目立つものは避けましょう。
服装の規定はありませんが、「失礼のない」とされている服装にしましょう。サンダルはNG。
前日や出発前は入浴しましょう。
全ての礼をするときには必ず帽子を脱ぎましょう。
参拝当日
神前まで
- 鳥居前で一礼(正式には「揖(ゆう):15~30度:会釈」)
- 道の中央(正中)を避けて端を歩く(中央は神様の歩かれる場所なので)
- 手水舎(てみずや・ちょうずや・てみずしゃ・ちょうずしゃ・すいばんしゃ・おみずや=ここの呼び方は神社によって異なる)で清める
①右手で柄杓を持って左手を清める=柄杓の水はこの後も使うので最初に満杯に入れて、少しずつ使う。
②柄杓を持ち替えて左手で柄杓を持って右手を清める
③また柄杓を持ち替えて、右手で柄杓を持って左手に水をため、口を清める(直接柄杓に口をつけない)
④また左手を清める
⑤両手で柄杓を持って、柄杓をかたむけて立てるように水を上から下にすべて流し、持ち手部分を清め、柄杓をもどす
※ハンカチなどで水分を拭き取るかどうかの決まりはありませんが、せっかく清めたので、トイレに行ったり、物に触らないようにしまうしょう。
神前
・まずは一礼(正式には「揖(ゆう):15~30度:会釈」)
・鈴(本坪鈴=ほんつぼすず)を鳴らす
・お賽銭は投げないで納める:「お賽銭は勢いよく投げるのが当たり前」みたいなイメージがありますが、お賽銭は感謝の証です。それを投げて渡すのは失礼だと思いませんか?
二礼二拍手一礼
・二礼:背筋を伸ばし、腰を90度折る
・右手を3センチほど下にずらして二拍手、右手を戻す
・住所、氏名、感謝を伝える
・神拝詞(略拝詞)や個人的な願いを伝える(「がんばるので応援してください」というスタンス)
神拝詞(略拝詞:りゃくはいし): 「祓(はら)えたまえ、清(きよ)めたまえ、神(かむ)ながら守りたまえ、幸(さきわ)えたまえ」=現代語ですと「お祓いください、お清めください、お守りください、幸せにしてください」
・一礼:背筋を伸ばし、腰を90度折る
帰るとき
鳥居を出てから身体ごと振り返って一礼(正式には「揖(ゆう):15~30度:会釈」)
雑学
茅の輪くぐり
茅の輪くぐりとは、スサノオノミコトの日本神話に起源を持つ夏越の祓を象徴する行事です。
茅で編んだ直径数メートルの輪をくぐり、心身を清めて厄災を払い、無病息災を祈願します。
夏越の祓とは、6月30日に行われる半年間の罪穢れを祓い、無病息災を祈願する神事です。 大祓 (12月31日) とともに年2回行われますが、茅の輪くぐりは夏越の祓で特に盛んに行われますが、一部の神社では年越の祓えでも行われます。
茅の輪くぐりの基本的な方法は、神拝詞(となえことば)を声に出さずに唱えながら、8の字に3度くぐり抜けるのが一般的です。くぐり方や神拝詞(となえことば)は神社によって異なることもあるので、都度確認しましょう。時期になると茅の輪とその横にやり方が貼り出されていることが多いです。
生き物と出会う
特に鳥や蝶などに遭遇するのは、神様に歓迎されているサインです。
風が吹く
神社で風が吹くのは、神様に歓迎されているサインです。
前方からの風は新しい変化・チャンスの訪れ。後ろからの風は神様からのサポートや後押しのメッセージ。横からの風は変化や選択肢を示すサイン。
雨が降る
参拝のときの雨は「良い」と「悪い」の両論があります。
陰陽五行説では、雨の日自体があまりよくないとされていますが、参拝時の解釈には「雨には浄化作用があり、ネガティブな気を洗い流してくれる」というものがあります。
どちらを選ぶかは自分次第ですが、雨でも行くくらいの強い気持ちを持っていたほうが、願いを叶える後押しになりそうです。
呼ばれる・呼ばれない
何かの情報を得たりタイミングが合って、神社に接する機会ができることを『呼ばれる』と言います。
またその逆に「行きたいと思っていたのに病気や急な予定変更で行けない」のは「まだその時期ではない」ということで『呼ばれていない』と言います。呼ばれていないときは、自分がまだ神様にお会いするのにふさわしい人間ではないと考えて、修行したほうがよさそうです。
自分なりの疑問点と答え
神社に落ちているゴミは拾ったほうがいい?
拾わないほうがいい、という結論に落ち着きました。
宗像大社が鎮座する沖ノ島の禁忌「一木一草一石たりとも持ち出してはならない」という掟が頭の中にあり、「ゴミに見えるとはいえ、持って帰っていいのかな?」という疑問がずっとありました。
そして拾う度に体調を崩したり、小さな事故にあったりして悪いことが続いたので「一見ゴミのようでも神域のものは触らないほうが良い」という結論に落ち着きました。
参拝時に、前に人がいたら待つべき?
時と場合によります。たいていの神社の神前は3人くらいは並べる広さがあります。
たまにすごく長く手を合わせている人がいるので、わたしは基本的にすでに並んでいる人がいなければ、参拝させてもらいます。
御朱印はもらったほうがいい?
最初は物珍しくて集めていましたが、今は気持ちを優先させているのでまったく集めなくなりました。
集めることで勇気や元気が出てくるならさずかったほうがよいでしょう。
おみくじは引いたほうがいい?持って帰ったほうがいい?
「大吉だから良いことがあるはず」とかで一時的に一喜一憂するのは意味がないと思いますが、「大吉だから今のままがんばろう」とか「凶だから注意して引き締めよう」とか、内容を未来に活かすのであれば引いてもいいと思います。
と書いているわりには「もしここで大吉が出たら、そのことで運を使ってしまうかも・・・」とケチな考えが頭をよぎるので、自分は一切引きません。
持ち帰るかどうかは自由だそうです。
お守りは買ったほうがいい?
わたしは自分の分はひとつだけいただいて、友人知人の分をいくつかいただくようにしています。
神社経営の問題もあるので、購入するかそのぶんお賽銭をお渡しすると良いと思います。
ちなみにお守りの効果は1年とされていますので、1年後に古いお守り等を納めに行きましょう。
簡単に神社に行けない場合は、郵送を受け付けてくれるか問い合わせるか、神社によっては他の神社のものも受け取ってくださるようですので聞いてみましょう。
また、理論上はゴミとして出すことも問題はないとは思いますが、どうも罰当たりな気がするので、下記のようなものを利用するのもよいでしょう。
撮影やネットで発信はしてもいい?
神社にって大きくルールが異なっています。
一切禁止のところもあれば、御朱印を書いているところもOKの場所もあるようです。
特に、場所を専有する(三脚使用やコスプレでの集団撮影)・商用利用は禁止されているところが多いですし、されちなくてもやめましょう。どうしてもやりたいなら許可をとりましょう(許可をもらったからといって好き勝手やっていいわけではありません)。
撮影の際はよく確認をして、周りの迷惑にならないように充分配慮しましょう。
また、神様を正面から撮影するのは失礼ですので控えましょう。
SNSなどネットで発信することは、禁止されていなければ問題ないようです。
ただ、動画でしゃべりながらライブ配信をするのはバチが当たりそうです。